1)場面会話から始める
本シリーズは、学習者が「できる」ようになることを最優先の課題にしています。そのため、語句や文型を学んでから会話の学習をするのではなく、はじめに実際の場面を想定した会話(場面会話)を学習して、まずその場面のモデル会話を「できる」ようにします。
授業はテキストを開かず、絵カードやプロジェクターを使って行います。実際の会話では、その場の状況を見てすぐに発話します。テキストなどを見て発話することはありません。授業では、実際の場面で発話するときと同じ脳の動きで練習することが運用力養成の大事なポイントだと考えます。
絵カードやプロジェクターを使わない場合は、付属の赤シートで文字をかくすと、イラストだけ見て会話することができます。赤シートは復習をしたり自習したりするときなどにも便利です。
2)場面会話ができるようになったあとで、文型の意味や使い方を確認する
学習の目標はことばや文型の意味や使い方がわかることではなく、場面の会話ができることです。したがって、場面会話が「できる」ようになってから、場面会話で使ったことばや文型に注目し、意味や用法の確認をし、使う練習をします。1つの文型に用法が複数ある場合は、場面会話で使われた用法に限って意味の確認と練習をします。1つの文型に用法が複数ある場合は、場面会話で使われた用法に絞って意味の確認と練習を、他の用法はその用法を使う別の課で扱います。
3)「できる」ようになることがはっきりわかる
各課のパートには、「何ができるようになるか」を示しました。学習者も教師も「今日の授業で何ができるようになるか」がわかるので、学習の目標を共有して授業を進めることができます。また授業後、自分が何ができるようになったかを確認することもできます。
4)学習者のニーズに合わせて学習を選べる
学習者の目的や時間、できるようになりたいことに合わせて学習する課を選ぶこともできます。学習する課に未習の文型が出てきた場合は、その文型が出ている課の文型練習から該当の部分を選んで学習します。「各課のできることと文型」を参考にしてください。
5)学習者にも教師にもわかりやすく、使いやすい
場面会話から入るという学習の進め方に合わせて、各課を構成しました。テキストの提出順序にしたがって学習を進めていけば、各課の課題ができるようになります。また、文型練習の場面を可能な限りイラストで示しました。意味を視覚的にとらえることができ、実際に使う場面を意識しながら練習ができます。学習者が一人で学習することもできます。
「授業のヒント」や「絵カード」がダウンロードできますので、授業準備の際にご活用ください。